未だ学校が始まっておらず、ひがな一日所在なげに過ごしているであろうバッタ達を久々に引きつれ、夕方のスーパーに出向く。
イギリスとフランスを600km突っ走り、戻ってきたのが日曜の午後。
丁度一週間前の日曜の朝6時に出て行ったが、
前日の土曜の午後に、ブルターニュからパパとのバカンスから帰ってきた3匹のバッタ達は、その足で台湾のいとこ達がいるバイオリンの先生宅にお邪魔している。
ビバルディの四季をいとこ達と弾き合い、
私が小さな愛車クリオで彼らを家に届ける間、バッタ達は先生に室内楽の担当箇所を指導してもらうといった、相変わらずの超ハード、とんでもないスケジュールをこなしていた。
パパはバッタ達との時間を削ることになるバカンスの日程の変更などの相談には絶対乗らない。台湾のいとこ達が遊びに来ていようが、日本のマミーが来ていようが、絶対譲らない。
ある意味、清々しいほど。
そして、私にしても、せっかく日本に行くのだから、と日程を組むものだから、
そのしわ寄せはバッタ達が受けることになる。
今年など、
中学卒業試験の最後の科目を終え、帰宅した長女バッタを車に乗せ、慌てて空港に駆け込み、日本にバッタ達を送り出し、
日本から帰ってきた翌日、パパとのバカンスに旅立たせ、
パパとのバカンスから帰ってきた翌日、5時起きで、イギリスのミュージックスクールに行く、といったとんでもないスケジュール。
だから、漸く、
バッタ達はのんびりと、我が家でくつろいでいる。
会社に行ってしまった私に代わって、長女バッタと末娘バッタが洗濯を受け持ってくれた。
それでも、買い物は未だというので、大急ぎでバッタ達を引き連れて、スーパーに食料品やら日常雑貨を求めに繰り出したといったところ。
夕飯、どうしようか。
そうだ。大好評だったクロックムッシューにしようか。
え?
え?
ええっ?
バッタ達が振り返る。
ああ、そうか。
台湾の姪や甥たち相手だったのか。バッタ達はいなかったんだわ。
「ママ、一体、どんなご馳走をしたの?」
長女バッタが詰め寄る。
「他に、どんなお料理をしたの?」
末娘バッタから大きな瞳を更に大きくして見つめられる。
「その時に作ったお料理、みいいんな作って頂戴!」
バッタコールが始まる。
「そう!先ずは餃子から。」
餃子、と来たか。
この子たちの情報網には参ってしまう。
と、大袈裟に言うほどのことでもあるまいか。仲良しのいとこ達と、どんな話題でも盛り上がるのだから。
餃子、ねぇ。
我が家のバッタ達とは、一サイズ小ぶりとなる台湾の子供達。
何せ、末娘バッタを筆頭に、3人といったところ。一番下は4歳ときているのだから。
彼らが長旅をして遊びに来てくれた翌日。何が食べたいのかな、との私の問いに、台湾の妹は一番下の子が「餃子」が食べたいと言っている、と言うものだから、こちらは驚いてしまった。
そもそも、4歳の子に、何が食べたいか、と聞けば、彼女の世界の中から選ぶに決まっているであろう。4歳の子は、フランスだろうが、日本だろうが、台湾だろうが、果ては、宇宙だろうが、一向にお構いなしに、自分の世界観で答えるのである。
それでも、と思う。
子供達の喜ぶ顔が見たいし、末っ子の願いを告げた妹も、「あらあら、ここはフランスよ。フランスの美味しいお料理を楽しみにしましょうね。」などと子供に言わなかったところを見れば、彼女だって餃子が食べたいに違いない。
そうね、餃子。
作ってあげよう。
餃子の皮は、この際、手作りなんてしないで、生春巻き用に置いてある、ライスペーパーを使おうと思いつく。
ぷりぷり感を出すために、海老は絶対に入れたい。
椎茸はマッシュルームで代用しよう。
挽肉は、生ソーセージの中味。
そうして、私としては、あっという間に、
香ばしくかりりと焼き上げ(実は、フライパンで沢山焼こうとしたので、もたっとしてしまってはいたのだが)、
熱々をテーブルに並べる。
大歓声で迎えられる。
どうやら、台湾の妹のところでは、水餃子を頻繁にしており、子供達も水餃子を期待していたらしい。
が、リクエストをしてくれた4歳の姪は、大喜びしてくれた。
「これは、カニ?」
ううん。えび、だよ。ぷりぷりしているでしょう?
そう言っても、一口、食べるたびに、
「カニ?カニなの?」
う~ん。
お嬢様は蟹入り餃子をリクエスト?なんと、高級な。
いやいや、蟹は旨味はあっても、海老のプリプリさはあるまい、などと思ってしまう。
9歳の甥っ子のお皿の餃子はすぐになくなってしまう。
どうやら、かなり気に入ってくれた様子。
11歳になる姪は、どうもお肉が苦手なのか、おしゃべりばかりで、お皿にはいつまでも餃子が同じ数だけ並んでいる。
それでも、海老の頭と殻でスープを採った、お豆腐入り特製スープを喜んでおかわりまでしてくれる。
ふふん。
香ばしさに包まれて、
久しぶりに会う、バッタ達に比べたら一サイズ小さな子供達に囲まれて、
母のお腹の中からの、いや、生命を受けた瞬間からの、大切な魂の友である双子の妹を迎えて、
熱々の餃子を口に運ぶ。
プリプリの海老、ジューシーな野菜と豚肉の旨味が口中に広がる。
。。。
そうか、バッタ達も餃子をリクエスト、と来たか。
彼らと頬張る餃子は、今度はどんな味がするだろう。
早速、作るとしようか。
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