あたり一面、真っ白。
バッタ達と大騒ぎしながら、雪道を歩く。
雪滑りが大好きなバッタ達。
率先して雪の中を滑り込む長女バッタと息子バッタ。
と、青いスキーウェアが空を舞う。
どうやら、飛び跳ねたらしい。そして、着地。
痛そう。
雪道とはいえ、固く踏みしめられた道は硬いに違いない。
泣くぞ。
そう思っている間にも、青いウェアが転がり出す。
どうやら、着地地点は坂になっており、そこを転がってしまう。
止めさせなきゃ。
ピンクのスキーウェアが駆け出す。
長女バッタ。
その後を末娘バッタと一緒に追い駆ける。
が、今度は青いウェアが視界から消える。
どうした。
まさか。
川に転がり込んだらしい。
この雪の中、水の中に。
ぞっとする。
本人は意識がないのか、或いは川の流れに勢いがあるのか、
無抵抗で青いウェアが流されていく。
声が出ない。
声を出さなきゃ。
「助けてくださいっ!!!」
振り絞った自分の声で目が覚める。
夢?
暫くは震えが止まらなかった。
それにしても、夢にしては純白の雪、青とピンクのウェアなど、
なんと色彩豊かであったか。
それに川の流れ。
息子バッタ。
今日、13歳の誕生日を迎える。
ティーンに仲間入り。
息子よ。
ああ、なんと情けない夢を見てしまったのだろうね、ママは。
きっと、君なら、
現実の君なら、
滑って転んで、着地が悪くとも、バツの悪い顔をして、自分の力で這い上がるに違いない。
もしも、そこが坂で、転がってしまっても、なんとか足を踏ん張って、転がる自分を抑えるに違いない。
そして、仮に、仮に、急な流れの川に入ってしまっても、
その頑強な腕で、やっとばかりに水を掻き分け、ざぶんと起き上がるに違いない。
そうして、うぉう冷たかった、と犬のようにぶるぶるっと身震いして水を切り、
早く温まろうと騒ぐに違いない。
そう、現実の君は、もうすっかり大きくなって、
ママの背だって追い越して、
力だって誰よりも強く、
いかなる困難にも立ち向かえる勇気と知恵と体力が備わっている。
13歳、おめでとう。

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