ここ数日寝ていなかった。
大きな会議を控えて、それに向けての準備。
7人の侍の足並みは揃わない。
それでも、
なんとか、皆で集まり、方向性を確認。
一人、都合が悪くて欠席した侍から、
翌々日あたりに電話。
当日のプレゼン用スライドが回ってきていないとの抗議。
だって、そんなん、未だできていない。
出来ているところまででも、せめて見せて欲しいとのこと。
当日、知らさせるなんて、嫌だ、と。
だったら、どんなことをしても火曜の会議には出て欲しかった。
彼女に説明している暇も時間もない。
しかも、彼女のこと。
これまで悉く反対してきて、折れることをしらない性格は良く知っている。
だから、
最後に大騒ぎするかもしれない。
結局は、私が全てのスライドを見直し、編集し、訂正を入れ、日本語訳をつけることに。
彼女の催促のお陰で、結局は夜なべし、
ただ、そのお陰で、取り合えず形にはなる。
それから、最後の詰め。
侍の長から電話。
午後に二つも重い会議があったので、とても夜に会って見直しなんて出来る状態ではない、と。
だから、当日となる翌朝早くに会おうと。
こちらも、疲れが溜まっていたので、1時間未満の早朝のミーティングに賭けることの恐ろしさを思いながらも、快諾。
そして、当日。
朝、5時に起きて、新鮮な冷たい空気を肺に吸い込む。
熱々のクロワッサンを抱えて長が来る。
雑然としたキッチンで、
コーヒーを煎れながら、
立ち話。
色々気になるポイントを挙げて最終チェックをしながら、
最後のスライドまで目を通す。
よし。
その日はコンサートとも重なっており、
バッタ達の白いワイシャツや黒いスラックスを用意し、
寝起きのバッタ達に声を掛け、
出陣。
会場の門には、
既に案内状が貼ってある。
侍の一人が首尾良く手配してくれている。
よし。
受付で準備をし、スタンバイOK。
ほっとして、湯気が出ているミラベルのスペシャルドリンクを飲んでいると長がやってくる。
何を飲んでいるの?
え?スペシャルドリンク。
飲む?
ちょっと躊躇ったが、なんとなく、彼の好奇心旺盛な瞳に、そう応じてしまった。
多分、遠慮するだろうと思って。
あ、ぜひ、頂くよ。
え?これ、だって、長女バッタが母の日に買ってくれた特別マグなんだけど。
このマグに口をつけて飲むの?
一瞬、そんな思いが過ぎるが、
連帯感がそうさせるのか、嫌な感じはちっともしない。
むしろ、嬉しくさえなってしまう。
ふむ。ありがとう。
どう?ちょっと特別でしょ?
これで私、いつもエネルギーの塊なのよ。
はっはっは!
元気な笑い声が返ってくる。
それだけじゃあ、ないよ!
それに、これ、好きだよ。美味しいね。
あら、気に入ってくれたなら、瓶をプレゼントするわ。
いいよ、いいよ。レシピを教えてもらえれば、作るから。
ふふん。でも、家にミラベルの木がある?
これって、ミラベルの実が鍵なのよ?
嬉しそうな笑顔が返ってくる。
よし。
これだけリラックスしているなら、大丈夫。
おはようございます。
冷たい朝の空気をともなって、
ゾクゾクと出席者が入ってくる。
会議の開始時間ぴったりに、
出席者が定足数に達っしたことが分かる。
さあ、会場に行こう。
スペシャルドリンクを手にして。
演壇の長と目が合う。
よし。
いざ、出陣。

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