2021年3月29日月曜日

曙礼賛

 





暗黒の世界が群青色に変わり始める時こそ好きなものはない。


清少納言は春はあけぼのとしたが、春夏秋冬、どの季節もあけぼのに勝るものはあるまい。


よく「白々と明ける」、と言われるし、正に清少納言も「白くなりゆく山際」としている。



春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。



濃紺な空が次第に透明感を持ち始め、紺色となり、瑠璃色に変わり、次第に杜若色と変化し、群青色になっていく。そして東の空に目を移せば、空の端が深く鮮やかな紅色。


いつまででも見飽きない空のパフォーマンスながら、一瞬のこと。太陽がかっきりと昇ると、いつもの日常が始まる。おはよう!





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