2022年7月29日金曜日

畏敬の念と感謝の心

 




近所の犬君たちが夕方大勢集っているらしいということは、犬仲間のグループメッセージで知っていた。参加したいという気持ちと、遠慮しておこうという気持ちが拮抗していて、どうにも決められず、時間が丁度しないということや、場所が不確定だとの理由にかこつけて、一匹狼の道を貫き、時々で会う仲間と遊び転げる程度にしていた。


実際、時々出会う仲間の犬を見ただけで、カンガルー跳びをしたり、猫を見ると吠えたりと、慎重さと臆病さを併せ持っていて、大勢の犬の中になど入ったら、一体どうなるのだろうとの不安もあった。


それでも、何故かその日だけは行ってみようかな、との気になって夕方トンカと歩いていると、丁度仲間の犬君に出会い、二匹は大喜びでもつれ合いながらはしゃぎ始めた。飼い主さんと挨拶をし話をしてみると、どうやらこれから例の大勢の仲間たちのところに行くという。それでは、一緒に参りましょう、と自然の流れでなった。


仲間の犬君と一緒に広場の入り口に元気勇んで入ったものの、向こうからわらわらと白、黒、茶、シェパード、ポインター、ボーダーコリー、コギー、ピットブル、など走って迎えてくれたので、トンカは仰天。咄嗟に回れ右をしてこちらに走って戻ってきてしまった。あらあら。


まあ、初めての反応としては当然ではあるまいか。私自身も戸惑うところがあるのだもの。その時、先ほど出会った犬君の飼い主の小学生ぐらいの息子さんが、トンカを振り返り、笑って来るように誘ってくれた。トンカ、行ってみようよ。


既に10匹はいるだろうか。飼い主と思われる人々に挨拶をし、様子を見てみると、犬たちの挨拶がぐるぐるとお互いの匂いを嗅ぎ合いながら始まった。悪くない感じ。と、誰かが遠くにテニスボールを投げた。トンカがいつもの調子で大喜びで他の仲間と一緒に駆けていく。


恐らく仲間の中では一番幼いのだろうか。それでも、トンカの瞬発力、疾走力は頭抜けている。何回かトンカがボールをゲットすると、飼い主たちの中から「トンカ!すごいよ!」との声が聞こえ始めた。


その広場というか、大草原というか、空き地の脇には小川が流れていて、時々その小川で水を飲むもの、水遊びをするものがいる。素晴らしい環境ではないか。よくよく観察してみると、仲間入りせずに一人でボールを齧っているもの、ちょっと離れて一人で涼んでいるもの、じゃれ合っているもの、皆それぞれ。トンカといえば、常に仲間とつるむタイプ。それでも、時々空を見上げたり、叢に鼻を突っ込んでみたり、ごろごろと草原に身を投げ出したりと、一人の時間も楽しんでいる。ボール投げゲームが始まると、常に追う集団の一人であることは確か。


トンカがいつものようにボールを独り占めすることなく、ちゃんと持ち帰って渡す様子を見て、集団生活で学ぶことの素晴らしさを改めて再確認。そりゃあそうだよね。仲間の犬君たちに怒られてしまうもの。へえええ。驚きの発見ばかり。


末娘バッタが夕食後寮に帰ると言っていたので、そろそろ引き上げることにする。大いに走り回ったので、引き際もさっぱりとしたもの。立派だったよ、トンカ、と声を掛けてあげる。


夜になって、その時のビデオがグループメッセージに送られてきた。トンカの勇壮な様子がちゃんと撮影されている。嬉しくなってみていると、すぐに別の動画が送られてきた。森に散歩に行った人からで、鹿の死体があるので注意するようにとのメッセージ。なんと、いつもトンカと散歩をする森の中の小径!その脇に、トンカと同じ胡桃色の物体が横たわっている。どこにも傷もなく、そこで昼寝をしているようだが、顔だけが変な風によじれていて、目が空を見上げている。角がないので、雌だろうし、未だ若々しい。一体、何があったのか。痛ましい。


それよりも、森だからとリード無しで散歩していた犬は、生肉に引き寄せられて飼い主がどんなに呼んでも帰ってこなくなってしまうというではないか。


トンカといつもの森の散策に出ていたら、どうなっていたかを想像し、真っ青になる。そして、なんだか知らないが、犬仲間たちの遊びグループに顔を出すことになった偶然に、感謝する。いや、偶然ではなかろう。我々は守られている。


太陽神、森の神、大地の神、大自然の神たちよ。トンカをお守りくださり、ありがとうございます。どうか、これからも宜しくお願い申し上げます。


👇 拍手機能を加えました。出来ましたら、拍手やクリックで応援いただけますと、とても嬉しいです。コメントを残していただけますと、飛び上がって喜び、お返事いたします。




にほんブログ村 その他日記ブログ つれづれへ
にほんブログ村

にほんブログ村 犬ブログ 犬のいる暮らしへ
にほんブログ村
↑ クリックして応援していただけると嬉しいです
皆さんからのコメント楽しみにしています

0 件のコメント:

コメントを投稿