2022年7月7日木曜日

銀色の蛇君を踏まないように避けて、強かに顎を打ち付けるの巻

 





夕方のいつもの散歩コース。森に入る手前の小径の両脇の藪が随分と繁って来たと、のんびり眺めていたが、ふと足元に銀色の細く光る物体を目にし、まさかのマムシかと、踏まないように大急ぎで駆け抜けようとして、どんくさくもバランスを崩し、駆け抜けようとした勢いも相まって、おっとっと、と走り込んで落下。なんとも無様ではあるが、勢いと全体重を顎で受け止めてしまったので、顎が痛いこと、痛いこと。


トンカが心配してなのか、なんか凄いことしていると思ってなのか、慌てて戻ってきたが、ここは何でもないと大人の余裕を見せながら立ち上がり、埃だらけになった上着とズボンを手で払う。


平気の平左、と歩き出したが、じんじんと痛みを顎に感じていた。それでも、いつも通り一時間半は歩いただろうか。家に戻る頃には、顎がお岩さんのように腫れあがってしまっていた。


蛇様だからと、慌てなくても良かったのだが、踏む感触も嫌ながら、踏んで逆襲されるのも怖いし、とにかく、正直なところ超超大慌てをしてしまった。余裕で跳んだり跳ねたりしているトンカをみて、若さなのか、持って生まれた素質なのか、と思ってしまう。


夕食後に一仕事しようと思っていたが、その気持ちは萎え、のんびりすることにした。夜の9時といっても、まだまだ明るい。トンカと、夜の街を歩くことも悪くないのかもしれない。レインクロードの熟した甘い香りが、夜風に乗って優しくあたりを満たしている。



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