2023年2月18日土曜日

恵比須様の弟子

 






2月は日数が少ないだけでなく、時間も普段よりも早く過ぎる気がする。気が付くと残り一週間程で3月になってしまう。そんな折、昨年ご利用いただきましたが、今年はいかがいたしましょうか、とのメールが舞い込んできた。母の誕生日に昨年バラの花束を贈ったが、そこの花屋さんからだった。


確か随分と長持ちして、最後の一輪は自宅の玄関で2ヶ月以上咲き誇っていたことを思い出した。メールの文面も押しつけがましくなく、非常に抑えたトーンであったことも気に入った。今年もここの薔薇を送ろうとなり、早速手配をした。


ところが、寒波で氷点下の気温となる場合生花は茶色になってしまうので、気温に問題がなくなってから後日発送となるが問題ないか、また、ブリザーブドフラワーに商品を交換することもできるがどうするか、との返信があった。


ふむ。なんと気配りができた花屋さんなのだろう、と感心してしまった。後日発送で問題ない旨連絡をし、早速代案として先日友人のバリスタに教えてもらったセラミックの珈琲フィルターなるものをネットで購入し、母のもとに送るように手配をした。


とても心が豊かになった気になり、不遜にも恵比須様の弟子にでもなった気分になってしまった。その勢いで長女バッタが友人と誕生日を祝うのでランチをする予定になっているレストランに連絡をして、誕生日であること、お祝いに飲み物を贈りたいこと、などを告げた。予算を聞かれて、つい、大盤振る舞いをしてしまった。


そこはイギリスに向けたフェリーが出航するカレー港の近くにある宿泊施設も備えたビストロで、以前シェフと話をする機会があり、一度は行ってみたいと思っていた場所だった。長女バッタには、値段は張るけれど、感動的な食事が楽しめることを請け合うと強く勧めたという経緯があった。


長女バッタ達にはサプライズにしておいた。当日、夕方に夢のようなお食事で感動したこと、写真をたくさん撮ったので今度見せること、などのメッセージが届いた。気になったので、レストランに連絡をして軍資金のカンパをしたが、ちゃんとその分加味されていたか、と聞いてみた。


すると、驚いたことに、「おおっ!」と返事がきて、「そうだったんだ!」と続いた。


まさか、レストランで手違いがあったのだろうか。固唾を飲んでメッセージの続きを待っていると、「なんで安くなったんだろうと思っていたの。カードを使ったからかな、って言っていたんだ。」


ずっこけるじゃあないか!ぬあんですって?ちょっちょっと待ってよ。


恐らく料金の半分ぐらい安くなった筈なのだが、その旨確認しない長女バッタ達も長女バッタ達だが、何も言わずに差し引いた料金をしれっと支払ってもらうレストラン側もレストラン側ではないか!


まあ、長女バッタ達はレストランでしっかりと値段を確認するなぞせずに、夢のような雰囲気の中で、お洒落にカードを出して、さっと支払いを済ませた、といったところだろう。後で車の中でレシートを見て、あれれ、となったのではあるまいか。想像がついてしまう。


問題はレストラン。お母さまからのサプライズで料金の一部を既にいただいています。などと、一言あっても良いではないか。


日本とフランスのサービスの質の違いを、まざまざと見せつけられた思いがする。恐らく、サービスに対する考え方が根本的に違うのだろう。レストランに連絡をするなんて野暮なことはしないので、彼らは残念なことに学ぶ機会を失ってしまった。


ちなみに、日本側のサービスは非常にキメ細かく、転ばぬ先の杖的なところがあったので、実は母の誕生日の当日、天候は穏やかで問題なく薔薇の花束が届けられることになった。もちろん、セラミックの珈琲フィルターも当日着。


不遜にも恵比須様の弟子を自称する身としては、めでたし、めでたし、としようか。



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