2011年9月25日日曜日

天からの恵み


バサリッ、バサリッ。

すざまじい音とともに、何かが天空から降りてくる。いや、落下する。足元には踏み場もない程にイガが転がり、その中からつやつやの栗がはじけのぞいている。仰ぎ見れば、遥か頭上でせわしなく動く茶色の物体を発見。リスに違いない。枝と枝を飛び渡り、別の木に乗り移り、幹を駆け上がる。顔こそ見えないが、お茶目でぐりぐりの円らな瞳がすばしっこく動く様子が感じとられる。彼の動きが手伝ってか、或いは栗の重みか、時々忘れた頃に、バサリッ、バサリッと、イガが落ちてくる。栗がこれ程の存在感を持って落ちてくるとは今まで気づきもしなかった。誰もが無口となり、時々イガにチクリとされて思わず上げた声のみが、青い空に高く吸い込まれていく。後は静寂と、そして、時々の、バサリッ、バサリッ。

持ちきれない程重くなった袋を引きずるように森を後にする。

早速我が家に戻り、待ち切れんばかりの勢いで、大鍋にたっぷりの湯でぐらぐら煮始めると、キッチンから甘やかな香りが漂う。その匂いに連れられて、バッタ達が集い始める。そうして、皮むきが大勢の手でなされていく。一番大きい栗は自分のお手柄だと言い張り譲らなかったり、こっそり味見をして、そのとろけんばかりの美味さに驚嘆の声を上げたり、栗ご飯が食べたいとか、モンブランを食べてみたいとか、マロンケーキを作ってとか、リクエストの声も出る。そうして、瞬く間に剥いた皮の山ができ、後にはほっくりとした栗がまだ湯気を上げつつ残る。

皮の剥き過ぎで、親指の爪に痛さを感じつつも、これだけの猛スピードで仕上がった年は初めてだと感慨に浸る。

今年はバッタ達が一緒に手伝ってくれたのか。。。口に入れた今年お初の栗の優しい甘みに、思わず笑みがもれる。秋は来ぬ。



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