2013年9月10日火曜日

ハーフボトル




インディアンもあるけど、
本格的な窯があって、
賑やかな笑い声が開ききった窓から
明るい光とともに漏れているイタリアンにしよう。

ドアの近く、部屋の奥、柱の陰、
どこでも気に入ったところにどうぞ。

あら、それなら、窯の近くのピザの作成台にしようかしら。

軽い冗談が口からこぼれる。

直ぐに届けられたメニューを眺め、
やっぱり窯の焼きたてピザがいいかな、
どんなトッピングにしようかな、と思っていると
ピザとパスタを取って、分けっこしようよ、と誘われる。

レジーナかな、ナポリタンかな、と思えば、
キャトルセゾンにしようと、と。

キャトルフロマージュ?

違うよ。キャトルセゾン。
パスタもキャトルセゾンにしようよ。

色々な種類のパスタが楽しめるのね。OK。

笑みが思わず漏れる。
なんだって今日は、いつになく率先して決めてくれるのね。

飲み物は?

Leffeにしようかな。ドラフトがあったっけ。
メニューを覗く。

イタリアンワインにしようか。赤?白?ロゼ?

ワイン、ね。そうれもいいかもね。
ロゼ、いいね。ロゼにしようよ。

ハーフでいいよね。

ん?ハーフ?
じゃあ、フルでサンペレグリノも取ろうよ。

ライムとオリーブが小皿で出てくる。

ロゼのハーフボトルが恭しく掲げられ、
味見用にと、グラスにちょっと注がれる。

うん、爽やかな香りと味わい。

満足気な笑顔。

淡いロゼのグラスを傾けて、
乾杯。

夏の草原の香りが口いっぱいに広がる。




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