2013年9月26日木曜日

朝のキッチン




キッチンには朝から甘ったるい香りが漂っている。

このところ、ちょっと買い物に行けてなく、
息子バッタがいつも朝に食べるビスケットの最後のパックを、
末娘バッタが先に食べてしまっていたので、
「ママ、食べるものがない!」と騒ぐ息子バッタに、
つい、パンケーキを焼こうか、と言ってしまっていた。

いつもなら、寝起き爽快の息子バッタ。
今朝は、眠そうに、だるそうにしていたので、つい、甘いことを言ってしまった。
実際は、ちゃんと末娘バッタと一緒に起きていたら、
食いっぱぐれることはなかったであろうのに。

末娘バッタなら、ビスケットがなかったら、
バナナとヨーグルトにしたり、
林檎をコンポットにしたりと、実は応用が利く。と、思う。

だから、息子バッタに甘いと、娘バッタたちに言われてしまうのであろう。

案の定、
末娘バッタの視線が痛い。
「みんなの分、作ってあげるわよ。食べるでしょ?」

一時間早く授業が開始する長女バッタは、もう玄関で準備をしているので、
取り敢えずは二人分。

卵を二個割って、バニラ風味の砂糖を一袋と蜂蜜を適当に混ぜ、
自家製カスピ海ヨーグルトをとろりと入れる。
ベーキングパウダーに小麦粉をさっくり混ぜ、ちょっとだけサラダ油を垂らす。

クレープ用のフライパンをしっかりと温め、
生地をたっぷりと流し込む。
表面がぷつぷつしてきたら、早速裏返し。
ホッカホカでふんわりとしたパンケーキをお皿にするりと落とす。

バッタ達は大喜び。

卵と蜂蜜で、こんがりと焼き色がつき、
バニラの甘い香りが心を優しくさせる。

こんな朝の過ごし方もあるのか。
バッタ達の食べ終わったお皿を洗いながら、ひとりごつ。



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