2013年11月5日火曜日

タジン鍋による鯛の蕪蒸し



野菜スープが大好きな彼女には、新鮮な人参のポタージュにしようかと思っていた。
が、どうやら、お祝いはお祝いで、ちょっとした晩餐らしい食事が欲しいという。

じゃ、思い切って鯛のタジン鍋にしよう。
ところが、どのレシピを見ても、タジン鍋を使うとなると、ハーブたっぷりのソースで魚の切り身を漬け込んだものをオリーブオイルで炒めるか、たっぷりのハーブ入りライスやクスクスを詰め物にした料理しか出てこない。

塩焼きが鯛を美味しく食するには最高かとも思ったが、目出度いといった正月につきものの鯛料理としての感覚に乏しい彼女にとって、ありがた味は希薄となろうか。見た目にゴージャスで、料理としても美味しいものがいい。

そこで、鯛の蒸し煮感覚で、先ずはジャガイモ、長ネギをスライスしてタジン鍋の底に並べ、そこに大き目な蕪を二つばかり擂って、たっぷりとした水気とともに押さえ込むように載せ、その上に鯛を置く。加熱された野菜からスープがたっぷりと出て、それが蒸気となって、鯛の身を蒸し、逆に鯛の旨みがしっかりと野菜に流れ落ちるだろうと狙う。鯛はもちろん、尾頭付き。しっかりと塩を振り、取り除いた内臓の場所に、エシャロットをざっくりと切って入れ込んだもの。

魔法の鍋のようなタジン鍋の蓋をし、弱火で加熱すること20分。
ぐつぐつと愉快な音が聞こえだし、これは成功したな、との感触を得る。

目を期待で大きく真ん丸にして見つめるバッタ達の座るテーブルに、熱々のタジン鍋を慎重に置く。そして、魔法使いよろしく、さっとエレガントに先の尖った三角の蓋を取る。

真っ白な湯気の中で、ぐつぐつぐつと愉快な音が続き、立派な尾頭付き鯛がでんっと鎮座している。おおっ!!!

蕪がいい塩梅にとろけるように仕上がり、しかも鯛の旨みを吸収して、うまいのなんの。

どうやら、休憩時間を利用したクラスのおやつ会では、当番の子がプルーン入りファーを作ってきてくれたとか。それって、ブルターニュの名物。長女バッタのルーツがブルターニュにあるって分かっての特別の配慮かしら。

仲良しのお友達が、彼女の大好物のチョコレートでケーキを焼いてきてくれたとか。

成長すると、親の出る幕がどんどんなくなる。

我が家のデザートは我が家のクエッチのクラフティ。アーモンドプードルだと思っていた袋がココナッツ。きっと美味しいよ、と、ソムルも少し混ぜて、生地を作ったもの。ここに、今日は特別にバニラアイスクリームを添えて。

今日は息子バッタが一本のロウソクに火を点ける。

昨日と同じように、今度は息子バッタが長女バッタの写真を撮り、末娘バッタが大声で歌う。

お誕生日おめでとう。





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皆さんからのコメント楽しみにしています




2 件のコメント:

  1. とても魅力的な記事でした。
    また遊びに来ます!!

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  2. 初めての株さん
    こんにちは。嬉しいコメントありがとうございます。
    「かぶ」は「かぶ」でも株のご専門。こちらは蕪の記事。ご縁を感じます!
    どうぞぜひこれからもいらしてください。お待ちしています。

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