2016年8月28日日曜日

期せぬ蝙蝠の訪れ







日中の暑さをどうしても取り込む二階の寝室の窓を全開にし、一回のコンピューター室で一人PCに向かっていた夜。

パパに呼ばれたからと息子バッタはパリ。

暑いからか、その気にならないからか、ヨーグルトのみの夕食を終え、真っ暗な我が家の中で明かりがある部屋は、私のいるコンピューター室。

近所は未だバカンスから帰っていないのか、夜は静けさをしょって這い寄ってくる。

と、ばさばさばさ。何だか聞き覚えのある音がしたかと思うと、黒い影がさぁーっとコンピューター室に入ってくる。

行き場を失って、気が狂ったかのように、ばさばさと音を立てながら、その黒い影は天井を旋回し、急降下をしたかと思うと、急上昇をし、次の行動がつかめない。

血の気がなくなる。
まさか。


どうしてだろう。
もう7年以上も前になろうか。あの日も暑い日で、窓を開けていた。
寝室で本を読んでいたところ、ランプに羽虫にしては音が大きい物体がぶつかってくる。

鳥かしら。

訝し気に目をやり、声こそ出なかったが、飛び上がってしまう。

蝙蝠。

動物園で見たことのある、洞窟にいる、おなじみの蝙蝠。

蝙蝠君には悪いが、ドラキュラの仲間であり、悪者の使者とのイメージしかない。

幼い時に見たテレビ番組、アニメのバットマンの主題歌の終わりに、「蝙蝠だけは知っている。ワッハハハハァー!」という箇所があった。喜んで歌っていたが、正直怖かった。
本当に苦手。

それなのに、寝室に訪れるなんて。

あの時は、蝙蝠がぽたりと床にへばってしまい、その上にプラスチックの箱をのせ、うまく引きずって蓋をし、外に逃がしてやった。

見まいと思いながらも確認した蝙蝠の顔。

人間の顔をしていて、本当に怖かった。


それがどうして、また訪れたのか。
独りだから、心配してくれたのか。

暑くて調子が狂って、煙突から降りてきたのだろうか。それとも、全開していた寝室の窓からか。

今回の蝙蝠は床にぽとりと落ちる様子もなく、飛び交うばかりなので、取り敢えずは一人で部屋にいてもらうことにする。

暑いだけでもうんざりなのに、夜を蝙蝠捕獲に使いたくはない。

ああ、蝙蝠君よ。
私は独りで大丈夫だから。安心してね。
明日には窓を開けておくから。

ひっそりと飛び交う音がやんだコンピューター室のドアに向かって呟く。







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