フィリピンの謎
『多くの国民が英語を話すだけでなく、非常に聞き取りやすい綺麗な発音。』
ボホール島からマニラに帰る機内で、早口でまくしたてる若者英語が耳に入る。声のトーンからも、英語圏からの駐在員の裕福な家庭の子弟に違いないと勝手に思い込んでいた。マニラに到着し、席を離れる際、件の若者を目にして唖然。ごくごく普通の現地の若者達。

高校時代の卒業旅行で京都タワーを見学した時を思い出す。どういう経緯かはすっかり忘れてしまったが、インドからの家族と知り合い、息子さんから英語が上手だね、と褒められる。あら、あなたの英語も素晴らしい、と応答したところ、非常に不快な顔をされてしまった。

そりゃあそうだろう。彼にしてみたら、インディアンイングリッシュなれど、英語は母国語。日本に家族で遊びにくる程の家庭なら、家庭内での会話も英語であろう。今なら分かるが、高2の田舎娘にはインド人はヒンディーを話すのであって、英語は努力の結果、としか思えなかったのである。
さて、英国の植民地であったインドでは、英語が公用語の一つであるが、非常に訛りがあり、高等教育を受けたインテリであってもインディアンイングリッシュ。方や、米国の植民地であったフィリピンでは、英語が公用語の一つであり、訛りあっても非常に聞き取りやすい。
この違いは何なのだろうか。映画、小説、などヒンディー語のものは星の数ほどありそうだが、タガログ語ではどうなのだろうか。民衆の娯楽、文化の広がりに答えが隠されている気がしてならない。
『他の東南アジア諸国と違い、味付けが辛くない。』


さて、ではどうしてフィリピンは素通りされてしまったのか。いや、胡椒も唐辛子もあるには違いない。が、全てに唐辛子や胡椒がたっぷりのアジア諸国に比べ、驚くほどに、香辛料が使われていない料理の方が圧倒的に多い。
『辛くないだけでなく、超甘い。』
また、
『超甘いだけでなく、塩辛い味との融合に挑む料理が少なくない。』
マニラ在住の友人がフィリピンのOLに大人気のカフェよ、と連れて行ってくれたマニラのお店。朝9時半。美味しそうなケーキがショーウインドーを飾る。彼女が注文してくれた8cm程度の細長い菓子パンを半分ずっこ。ふわふわのパンは、フォークで半分すると、見事に潰れてしまう。周りは粉砂糖がまぶしてあり、中はとろりとしたクリーム。
ペパーミントフルーツドリンクがテーブルに置かれると、やや違和感。緑ではなく、お茶のような色。ストローで一口飲んで、うっと唸ってしまう。確かにミントの香りはするが、それ以上に別の何かの味が濃厚。このコンビネーションは何なのだろう。
取り敢えずは口を湿らせ、フィリピンのOL達が大好きな菓子パンをちょっと齧ってみる。うっ!クリームは甘くなく、プロセスチーズの濃厚な味。それに粉砂糖の甘さ。こっ、このコンビネーションは。チャレンジング過ぎる!

すると、粉砂糖たっぷりのプロセスチーズの入った菓子パンに手がいく。な、なんなのだろう。塩辛さと超甘がいっぺんに口内を満たすと、喉を潤すために、奇妙な味のペパーミントフルーツドリンクが欲しくなる。
そうして、気が付くと菓子パンはぺろりと平らげ、ドリンクのグラスも空にしてしまう。
恐ろしや。
『土産屋がしつこくない。押し売りしない。引き際が鮮やか。』


塩味の筈なのに、何故か甘さも感じられる味付きPilinutsを食べながら、どうして、普通の塩で終えずに、プラスアルファしちゃうのだろうと思いつつも、手が伸びてしまう自分に呆れつつ。。。
謎は魅力となって、心を惹きつけて止まない。

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