アレキパの街を出来れば帳が下りる前に歩きたかった。
正確に言えば、夕日に染まるアレキパの街を見たかった。
太陽に届くほどの標高の高さに位置し、一日中燦燦と燃える日差しを浴び、くっきりと切り取られた青い空に白い建物が映える街。同じように切り取られた陰がはっきりと道に張り付いている。
そんな街が太陽が傾く頃に表情を変える。
建物も佇む人もお喋りに夢中な集団も、すべてをすっぽりと優しく包み込んでしまう。
その柔らかさを引き継ぐように、未だ空の色が明るいうちから、あちこちでライトアップが始まった。
思いもよらぬ芸術的な意識の高さに息を飲む。太陽の国ならではのセンスだろう。日差しの強さがもたらす陰影があちこちにそれぞれの空間を創り上げている。
アレキパの住民たちは、この地を独立共和国として宣言しているとか。アレキパ共和国に万歳!
ペルー紀行
第一話 インカの末裔
第二話 マチュピチュを目指して
第三話 真っ暗闇の車窓
第四話 静かな声の男
第五話 さあ、いざ行かん
第六話 空中の楼閣を天空から俯瞰
第七話 再び、静かな声の男登場
第八話 インポッシブルミッション
第九話 星降る夜
第十話 インカの帝都
第十一話 パチャママに感謝して
第十二話 標高3400mでのピスコサワー
第十三話 アンデスのシスティーナ礼拝堂
第十四話 クスコ教員ストライキ
第十五話 高く聳えるビラコチャ神殿
第十六話 標高4335mで出会った笑顔
第十七話 プカラのメルカド
第十八話 標高3850メートルの湖上の民
第十九話 ゆく河の流れは絶えずして
第二十話 コカの葉を噛みながら
第二十一話 4000メートルの谷を覗き込む
第二十二話 サボテンの実
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