2012年7月18日水曜日

いつしかベールが剥がれ落ち、輝かんばかりに甦るであろう故郷を思って



ママ、今日は銚子ヶ滝に行ったんだよ。
入り口に1時間って書いてあったのに、30分で着いたんだよ。
前にママと一緒に行った時よりも、
滝の水が勢い良く出ていて、すごかったよ。
前は、岩のチェーンを使って下りた場所が、
今回は階段で下りるようになっていたんだよ。
それで、トマトを滝の水で冷やして食べたの。
おにぎりも2個食べたよ。
とっても美味しかったよ。

けたたましく電話の向こうで末娘バッタが報告してくれる。
子供時代は勿論、東京で学生時代を過ごしている時も、フランスに行っても、
帰省しては、「銚子ヶ滝」に行って「調子」をつけよう、などと、
かなりつまらない駄洒落を言っては、
ちょっとした散歩がてら行っていた、見上げんばかりの鬱蒼とした濃緑の奥から、爆音とともに勢い良く流れ込む滝の姿が目に浮かぶ。

それからね、

今度は、ちょっと声をひそめる。

滝の水も飲んだの。
とっても冷たかったけど、ちょっと甘くておいしかったぁ。

そうか。
そうだよね。
そりゃそうだよね。

なんだか素直に納得してしまう。

「福島」の「福」にベールが掛けられて1年とちょっと。
風評被害の話も聞くし、
これから、一体、
智恵子の言う「本当の空」がある福島は、
どうなっちゃうのだろうと心悲しく思っていた。

末娘バッタの元気な弾む声を聞きながら、
ああ、いつか、
そう、彼女達の世代になれば、
確実にベールは剥がれ落ち、
輝かんばかりに「福島」は甦るのであろうとの思いを強くする。

子供達の行動力にひたすら頭が下がる思い。

次は、ママも一緒に行こう。
そうして、原生林が育んだ滝の水を心ゆくまで飲み干そう。


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