2013年3月2日土曜日

笑顔にほころぶ





寒いと思っていたら、
霙が降り出してきていた。

ワイパーでシャーベットの塊を撥ね飛ばしつつ、
傘は持っているのだろうか、と、ふと思う。
最近、騙し騙し運転していた車を遂に廃車にしたと聞いていた。

運転しながらの携帯利用は罰金と2ポイント。

それでも、
迎えに行こうか、どうしている?
とSMSを書き送る。

取引先に出向いているのか、
或いは、オフィスにいるのか、
仕事がもう終わりそうなのか、
ちっとも分からない。

それでも、
風のある冷たい霙の中を歩く姿が思い浮かぶ。

こんなに早い時間なら、
きっと仕事は終わっておらず、
返事も来ないだろうと思っていたら、
案の定、我が家に帰って夕食の準備をしているキッチンで、
返事が来る。

予想通りの返事。
でも、いつもより、ちょっと優しさが感じられるトーンで。
「ありがとう、大丈夫だよ。」と。

そんなことが、確か数日前。
それから、お昼を誘っても、
ドタキャンされたり、
都合がつかなかったりと、
なかなか会う機会なかったが、
「今、近くに来ているよ。」
と連絡が入る。

慌てて近くの待ち合わせ場所に行って、
「ここにいるよ。」
と連絡。

「なんだ、もう会社を出たの。知らなかったよ。」
と返事が来る。

なんだ。
急いで仕事を終えて出てきたのに、
ちょっとはぐらかされた気分。

なんとなく、疲れが襲う。
聞いて欲しいこと、
話したいこと、
沢山あったはずなのに、
急に萎んでしまう。

暫くして、
にこにこと、嬉しそうにやってくる姿。
いつもなら、
その笑顔に、こちらも反応し、
いや、こちらも最初から笑顔で迎えるのに、
その時は、寒さと疲れが勝ってしまった。

すると、笑顔を引っ込めた相手は
「どう?なんだか、大変そうだね。」
と話しかける。

優しい笑顔に包まれたかったのに、
冷たくなった顔はほころばなかった。
おざなりな話をし始めるが、
それでも、やっぱり、聞いて欲しい話となり、
気がつくと、夢中になって話をしている。

暫くして、
「この間はありがとう。あの日、本当は助けて欲しかったよ。実は30分もバスを待ったなきゃならなかったんだよ。」
すぐには分からなかった。
漸く、あの霙の降った日だと気がつく。
「えっ?電話してくれれば良かったのに。」
でも、もう遅い時間だったんだよ、と。

ゆるやかに時が流れる。

今、どうしても聞いてもらいたかった話を終え、
多くのアドバイスをもらうと、
こうして、大変な時に、応援してもらえて嬉しいこと、
今日は、時間を作ってくれてありがとう、と伝える。

あてにしてくれよ。
いつだって、応援しているんだから。

笑顔が返ってくる。
今度は、温かくなった頬が笑顔にほころぶ。





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