2016年2月14日日曜日

満点の評価









TPE、その名もTravaux personnels encadrés。監督下での自主研究プロジェクト。

生徒の自立性や課題解決能力を養うことを目的とし、生徒が自己の興味や課題意識に基づいて特定の課題を選択し、複数の教科の領域にわたって調査などを行い、報告書の形で仕上げることになっている、フランスの中等教育終了認定書および大学の第一学位でもあるバカロレア取得に必要な課題の一つ。

通常、二人か三人の共同研究となり、高校二年の年に、報告書を提出し、その数日後、試験官の前で発表し、口頭試問を受け、その総合評価の結果が点数となる。


長女バッタは、クラスメートと痛み止めの種類と効用およびその副作用をまとめ、妊婦に安全な薬、生理痛の時に服用してはならない薬などを指摘、報告書と簡単なデモビデオを作成したことを覚えている。

近所の薬局がかなり親切に色んな資料を出してくれて助かった話や、地元の図書館で借りた本をなくしてしまった話、色々聞いていた。


今年は息子バッタの年。仲間三人と実験をするらしいことは分かっていたが、正直何が課題なのか、余り知らされていなかったし、聞いてもピンときていなかった。

それでも、突然電話で、今日中に特殊プラグを買ってきて欲しいと言われ、雨のパリをさまよったこともある。

せっかくのリヨンでのバイオリンの研修週末も、このTPEの仲間との勉強会で彼は参加をしていなかった。どうやら、三人の中で、時間的に焦って早めに済ませたいタイプと、鷹揚に構え、ちっとも急がないタイプがいるらしいことが分かってきた。それでも、なんとか報告書は作成したらしい。しかも、ビデオでの報告書というから驚いてしまう。隔世の感を禁じ得ない。


そして、遂に来週、口頭試問。よって、週末は準備ということで仲間が集まって勉強会。三人が驚くほどばらばらの場所に住んでいて、息子バッタを中心に車で片道30分の距離に東西に分かれている。それなら、円の中心で集まるのが筋だろう。が、誰がどう主張するのか、我が家で集まっての会議は学校帰りのみで、週末は大抵仲間の家となる。

まあ、息子バッタとのドライブも悪くないか。彼も、ママに悪いと思うのか、いつも以上ににこやかである。そんな今日は、西に住む仲間の一人も一緒に連れて東に住む仲間の家に行くことになる。

二人は口頭試問を控えかなり緊張気味。母親の存在を気にせず、会話に熱がこもる。道中で二人の会話を耳にし、若者らしい夢と思わぬ高度な知識と向学心に驚いてしまう。

先程は報告書のビデオとかも見せてもらう。いつもは無口でシャイと思っていた息子バッタが、明確な口調で非常に分かりやすく説明をしている。新たな一面を発見した思いがする。


リヨンの週末は一緒に過ごせなかったが、こんな風に自分の時間を過ごし、成長していたことを知り嬉しくなる。


報告書の正確性や、内容などそんなに問題視していない母親は、満点の評価を授けよう。

今後とも夢に向かって邁進し、未知の世界を開拓せよ!









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