2016年2月20日土曜日

未来は過去を変えている










珍しく甘えてこない末娘バッタの横顔を見て疲れているのかな、と思う。


そう言えば、テストで設問の意味を取り違えたと悔しがっていたっけ。

いや、そんなことで、こちらを受け付けないような、撥ねつけた態度は示すまい。

明日、バイオリンの先生のアシスタントを頼まれてしまい、サッカーの練習に行けないことをうんざりしているのか。

或いは、後輩の進級テストで、バッハの第一バイオリンを弾かねばならないことにプレッシャーを感じているのだろうか。

せっかく作った夕食を息子バッタにケチをつけられ、がっかりしているのか。


どうも、どれも当て嵌まらないらしい。
彼女の心が見えない。一体どうしたのだろう。


ノエルのバカンスが終わったばかりなのに、もうスキーバカンスに入った金曜の夜。
しっくりこない。

バイオリンのレッスンを終えて、夜の10時にバッタ達と家に戻る。


一体、何が問題なのか、問い質してみる。

と、思わぬ答えが返ってくる。


バカンス明けに社会研修と称して、企業に一週間お世話になるが、その時にパリのパパの家から通うことに対し、彼女のお世話になる会社とパパの家は決して近くないよ、と言った私の言葉に反応したらしい。

彼女が研修期間にパリのパパの家から通うことは、もう既に決まっていること。それを今更ママが何も知らなかったかの様に、反対の意見を言うことが、嫌なのだ、と言う。

ちょっと、待ってよ。同じパリでも30分はかかるのよ、そう言っただけじゃない、と言えば、それでもママの家から通うよりは近いじゃない、との返事が返ってくる。

「それよりも、とにかく、パパとママの間で子供のことでジェラシーを感じているようなこと言わないでよ。困るのは私たちなんだから。」

うん、そうだ、そうだ、と息子バッタが頷く。


「それから、さっきだって !」末娘バッタは容赦しない。
息子バッタが試験の日程をパパに告げてなかったと聞いた時の私の反応がいけない、と言う。

パパに告げなかったのか!おおそうか!そうだよね!の態度がいけなかったらしい。


何から何までママが良い、のベベの末娘バッタではなくなった、ということか。
昔はよく、週末にパパの家に行くのが嫌だからと、仮病を使って蒲団にくるまっていたのに。
通りに響き渡る大声で嫌だ、ママといる、と言って泣き叫んでいたのに。


そうか。
成長したんだ。
公明正大な性格に。


離婚したからって、なんで子供と一緒に過ごす時間まで分けっこしなきゃいけないのか。
なんとも、ね。
成長していないのは、ママだけか。


長女バッタのことを思って、彼女にとって良かれと思うことで、彼女の父親と喧嘩をしていた時、泣きながら、ママ、止めて、と言った長女バッタの顔が思い出される。


そうか。今度は末娘バッタの番なのか。


旦那としての彼の評価は置いておいて、父親として彼はちゃんとその務めを果たしていて、バッタ達はそれを評価しているということか。
まあ、父親としての選択は間違っていなかったということか。


未来は過去を変えている。
外は春の前の小さな嵐。








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2 件のコメント:

  1. 長女は18歳からドイツに2年パリに2年、りルに1年、中国に6か月、セルビアに2年、それからパリ サンジェルマンアンレイを過ごしてからランブイエ。彼女と生活とは18歳過ぎてから短い時間は沢山過ごしたけれど次女とのような軋轢はない割と穏やかな関係を過ごしました。16歳の時にも日本に6か月送りその後ちょっとした反抗期もありましたが。次女とは本当にすごかったです。私が外人だということを否定ふつうの母親が欲しいといわれたこともあるし思春期がどうゆうものか学ぶべきと何冊も本を渡されたこともあります。でも二人ともとっても母親思いの良い娘達彼女達の私への愛情は本当に強いとおもいます。強いから思うようにいかずに反抗するのですよね。長女は私より次女は主人よりの傾向もあるけれど父親の力は強いです。言葉の問題もあると思います。いくら長く暮らしていても私がふと日本人発想での会話をすると私の思っているようには伝わっていなく誤解、その後小さな争いから大きな争いになることあります。主人が仲介に入り母と娘泣きながらお互いに思っていること全部吐き出しお互いの母国語の表現の異なりについの誤解を納得いくまで話し合ったことは何度もです。主人は問題ごとがあると本当に気長に何時間にわたっても娘たちの納得するまで対話しています。
    お母さま思いのバッタさん達ですね。お母さまもこんなに天塩にかけて育てらっしゃって。送り迎えの数々私も昔はずいぶんしたものだけれどクッカバラさんは働いていらっしゃるしすごいです。長話して御免なさいね。

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  2. Fleur de selさん、今日は!

    メッセージありがとうございます。今、ランブイエにいらっしゃるお嬢さん、色んな国で生活なさったんですね。セルビアに2年、というのが凄いですね。我が家の長女も、中国を皮切りに、今後どこへ行くのやら、です。

    それから、次女さんの反抗期の時のセリフ。びっくりです。母親として、どんな思いで受け止めたのか!それを乗り切って、今があるのですよね。素晴らしいです。そして、Fleur de selさんとお嬢さんの関係をしっかりと支えてくれたご主人の存在に、これまたびっくり。二人の意見をちゃんと聞いてあげているところが、すごいです。尊敬します。

    パパはフランス人。ママは日本人。子供は?そういったアイデンティティの問題を生まれながらにして子供に与える事実を、ちゃんと考えているのか、と母に言われたことを思い出しました。
    各ご家庭には色んなドラマがあるのですね。

    きっと、次女さんは、子供を育てている時に、ああ、ママにあんなこと言ったけど、と思うことがあるでしょうね。

    愛が深いからこそ、お互いに真剣なので、傷つくこともあるのだろうと思います。

    ランブイエにいらっしゃる時、お孫さんとの貴重な時間だと思いますが、よかったらぜひお声掛けください! Fleur de selさんの存在は私にとってすごく大きく大切です。隠れファンであり、とっても尊敬しています。

    これからも、心豊かになるお料理の数々、お話の数々お教えください。楽しみにしております。

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