2022年5月11日水曜日

末娘バッタの信念

 







エスカラッド、いわゆるロッククライミングをしているかと思えば、キャンパスからエッフェル塔までの早朝マラソンに参加したり、大学対抗バドミントン大会に出場したりと、何かとスポーティーな、いや、かなり体育会系の学生生活を満喫している末娘バッタ。今度はレッド、つまりマルチスポーツイベントに参加をするという。


レッドはトライアスロンをイメージすれば分かりやすいだろうか。二人でチームとなり、一人が自転車、相方がその脇でランニング。交代しながら進んでいく。カヌーあり、泳ぎあり、とコースによって様々。前回、キャンパスからエッフェル塔までマラソンした仲間の一人から声が掛かったという。


へー、すごいねえ。場所はどこなの?自転車は自分たちで調達するの?何人ぐらいがエントリーしているの?


矢継ぎ早に質問を投げかけるが、末娘バッタは相変わらず至ってマイペース。詳細は分からない、という。分からないのではなくて、調べればわかるのだが、今は面倒くさいので、取り敢えず無難な答えをするといったところ。まったく誠実さに欠ける、が、これが彼女のキャラ。


しかし、週末に行われ、金曜の夜から現地入りをし、二日間にわたって競技が行われるという。宿泊施設はどうなるの?また、質問をしてしまう。


ああ、テント買わなきゃ。


ふーん。その友達は持っていないの?


ん?ああ、マルタン?持っていないよ。


あ?相手って、男性なの?


そうだよ。マルタンに誘われたって最初っから言っているじゃない。


まさか、男性とチームを組むとは思わなかった。体力も持久力も全く違うだろう。それで彼はいいのか。いや、それより、彼と一緒のテントに寝るのか?


ママ、ただの友達。なに心配しているの?


ちょっと待ってよ。それでなくともテントは小さいんだから、その狭い空間に若い男女が二人だけで寝るって、ちょっと、大丈夫なの?ちゃんと考えたの?


母親の心配など、どこ吹く風の末娘バッタ。彼女の奔放な意見に、これまで何度も度肝を抜かれているが、さすが二十歳の大切な娘をそうおいおいとオオカミに手渡すわけにはいかない。


議論は堂々巡りをするだけ。仕方がないので息子バッタに加勢してもらう。彼に事情を説明すると、リスクはできるだけ回避すべきとの意見がでる。そう、当たり前ではないか。


釈然としない末娘バッタ。まあ、後は本人が決めるだけだが、一人ずつのテントを二つ持っていけば良いだけのことではないか、と思ってしまう。さあ、どうするのか。


一週間後、マルタンに確認したが、本人は全くそんな気はないので心配無用と答えたし、周囲の友達に意見を聞いたが、イベントに参加するのは男性が多く、後はカップル同士。なので、男性ばかりのテントの中に、一人だけ女性がテントで寝ることと、知っている男友達と一緒のテントで寝るのとでは、どちらが安全か考えてみると良い、と言われたらしい。


おい、おい、おい。


かくして、意気揚々と二人用のテントをスポーツ専門店で買い、現地入りした末娘バッタ。マルタンと二人の写真が時々送られてきて実況中継をしてくれるが、自転車とランニングの場所ではマルタンが完走してくれて助かったとか、道に迷って10キロもロスしてしまったとか、大変ながらも楽しそう。


これでは、若者たちは、疲れていて何も考えずにバタンキューの世界か。


翌日も疲れた体に鞭打って、二人で仲良くゴールインしたらしい。お疲れ様。こうして、末娘バッタは自分の信念を貫き通し、友情を確かめ合い、更に仲間を増やしていく。あっぱれなこと!まったく、若さとは素晴らしい!彼らの未来に乾杯!



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