今にも泣きそうな空だと思っていたら、突風まで吹き始めた。森の木々はごうごうと音を立てて揺らぎ、小枝、どんぐり、毬栗が、ばらばらと地面にたたきつけられる。と、ばしん、っと物凄い勢いで左腕に毬栗がぶつかってきた。
あまりの激しさと、痛さに、思わず悲鳴を上げてしまいそうになる。帽子を被っているから頭に直撃される心配はないが、これは堪らない。トンカは大丈夫なのだろうか。当然のことながら靴を履いているわけでもないし、栗のイガが爪の先に入ってしまったら、痛いどころのことではないだろう。
そんなことは一向にお構いなし、といった風で、いつものように毬栗だらけの小径を小鹿のごとく駆け回っている。あまりに痛いので、そっとシャツをまくって腕を見てみると、栗の小さなイガイガがびっしりと腕に刺さっている。あっちゃあ。取り敢えず、つまめる分だけ取り除いたが、小さな赤い発疹が出始めている。トンカに比べて、なんてひ弱なんだろう。
なんだか、大雨になりそうな気配を感じるが、雨に打たれても、まあ良しとしようか。なんだか急に気が大きくなり、引き返そうかとの思いを打ち消して、森の奥に歩みを進める。トンカが、嬉しそうに飛び跳ねている。さあ、行こう!
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