2023年10月1日日曜日

中秋の名月

 





ノルマンディーに週末出掛けるという友人夫婦と食事をして、外に出たら月が出ていた。中秋の名月。中国では大々的にお祝いするとかで、何度も彼らのホームパーティーに呼ばれたものだった。初めこそ、彼女が振る舞う本場の月餅は、日本で食べる甘いだけの月餅と似て非なるもので、大いに違和感を覚えたものだったが、今ではその味が懐かしく思われるのだから不思議なものである。


そう、今年も彼女は中秋節のお祝いをしなかった。あら、忘れていたわ、と軽く受け流したが、確か去年も同じように答えていたように思う。そして、夕食はスペイン料理のタパスか、レバノン料理にしようかと言ってきたのは彼女の方だった。以前だったら、中華料理に行こうと誘ったところなのに。


こうして、彼女は徐々に、しかし確実に母国の文化や風習をフランスで再現することをやめ、フランスの文化や風習に溶け込んできている。かくいう私も、似たようなものなのだろう。それで彼女らしさがなくなるということでもない。



明月幾時有 明月 幾時よりか有る

把酒問青天 酒を把りて青天に問ふ

不知天上宮闕 知らず 天上の宮闕には

今夕是何年 今夕 是れ何の年なるかを

我欲乘風歸去 我は風に乗じて帰り去らんと欲するも

惟恐瓊樓玉宇 惟だ恐る 瓊楼 玉宇の

高處不勝寒 高き処は 寒に勝へざらんを

起舞弄清影 起ち舞ひ 清影を弄すれば

何似在人間 何ぞ似ん 人間に在るに

轉朱閣 朱閣に転じ

低綺戸 綺戸に低れ

照無眠 眠り無きを照らす

不應有恨 応に恨みは有るべからざるに

何事長向別時圓 何事ぞ 長へに別事に向いて円かなる

人有悲歓離合 人には悲歓 離合有り

月有陰晴圓缼 月には陰晴 円欠有り

此事古難全 此の事 古より全うし難し

但願人長久 但だ願はくは 人の長久にして

千里共嬋娟 千里 嬋娟を共にせんことを



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