2011年12月20日火曜日

A better life



メキシコから移民のCarlos14歳の息子とロスに住む。
移民仲間の一人のトラックに乗って、高級住宅の庭園の庭掃除を生業とする。庭掃除といっても、そびえる椰子の木に登ったり、植木を伐採したりと、力仕事。ところが、仲間は十分貯蓄できたのでトラックを売って別の人生を歩むと宣言。Carlosにもトラックをとにかく入手しろ、と勧める。運転免許がないとするCarlosに、見つからなければ問題なし、と威勢良く告げる。

さて、Carlos、妹に金の無心をする。妹は旦那と子供の為にと積み立ててきたお金を崩して持ってきてくれる。

トラックを入手したCarlosは新たな人生が開けてくることへの予感と喜びに満ち溢れる。ところが、人の良い彼は、椰子の木に登っている間に、仕事仲間にトラックを奪われてしまう。

盗まれたトラックを取り戻そうと、14歳の息子と捜し歩く。うまく盗んだ相手が見つかるが、既にトラックは売り飛ばされ、得た金はすべてメキシコの彼の家族に送られてしまった後。しかも、本人はレストランの下働きをしており、特に生活が変わったわけではない。息子は怒り狂うが、Carlosは耐える。売り飛ばされたとする闇市にトラックを奪いに行く。

息子との絶妙な協力でうまくトラックを盗み出すが、途中パトーカーに無免許運転で捕まってしまう。そうして、刑務所に。本国強制送還が待っていることに。

息子が父親に会いに行くと、受付でCarolsは既に送還されたと伝えられる。息子はまっすぐと受付の目を見て言う。彼はいます。まだいる筈です。だから、彼に会わせてください、と。

果たして親子の面談が叶う。

Carlosは痛恨の面持ちで手錠をかけられた格好で現れる。

お前は以前俺に聞いたよな。なぜ貧しい夫婦が子供を持ったんだって。俺達はメキシコの田舎で知り合って、アメリカに一緒に出てきた。二人は愛し合っていたから、子供が欲しかったんだ。そうして子供に恵まれ、俺達は幸せだった。でもな、人間は変わるもんだ。彼女が望むことを俺は与えてやれなかった。彼女はもっともっと高みを望んだんだ。そうして、俺達を残して去っていったよ。仕事もろくにない俺は、幼いお前を残されて、彼女を憎んだよ。でもな、生きていけたのは、お前がいたからだ。お前の成長が楽しみだった。

悪い親父でごめんな。いつも一緒にいてやれなかったな。

息子が辛い表情で応える。

そんなことないよ。父さんはいつだって一緒にいてくれたよ。ねえ、あの子守唄さ、あれって父さんが歌ってくれていたんだよね。

驚いた顔のCarlos
こんな姿を見せちまって、ごめんな。期待を裏切ってごめんな。

そんなことないよ。父さんは裏切ってなんかないよ。

額に刻まれた皺をいっそう深くして、Carlosはメキシコに戻る。。。


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2 件のコメント:

  1. あかうな1/1/12 17:05

    これは、クッカバラさんの創作ですか?それとも実話?知り合い?クッカバラさん????

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  2. あかうなさん

    あ、これって、飛行機の中で観た映画なんです。心に残っていたので、ちょっと書いてみました。詳細、調べると、色々オリジナルと違っているかもしれませんが、その辺はお許しを。。。

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