2011年12月6日火曜日

オレンジの街路灯の下で


カンカンカンカン
真っ白な小さな粒が窓枠を叩く
カンカンカンカン
ころころとした粒が一瞬にして道路を濡らす

年の最後の月に相応しい冷たさが頬を打つ

鍋にしようと高速を使って家路につくと
クラブ活動や、ダンスで、バッタ達の姿はない

真っ暗な中、一人バスに乗って帰ってくる末娘バッタ。

ダウンコートにマフラー、皮の手袋をし、
バス停まで行ってみる。

オレンジの街路灯の下で、
行き交う車を何台も見送る。

バスが蛍光灯の光を伴いやってきて止まるが、
出てくる人影に末娘バッタの姿はない。

携帯電話の普及に伴い、
何も知らせれずに人を待つことがなくなっている。

遅れれば、その旨連絡があり、
着いていれば、その旨連絡がある。
心配なら、電話を入れれば、待ち合わせの相手と確認し合える。

きっとダンスで遅くなり、一台乗り遅れたのだろう。
彼女も、この寒さの中を一人、震えながらバスを待っているに違いない。
或いは、既にバスの中で揺られているのか。

バスを2台見送ると、不安がもたげる。
バスの中でトラブルがあったか、或いは声をかけられたか。
いや、これまで何十回も乗っているし、問題はあるまい。
それより、こんなことなら、圧力鍋でご飯を炊き始めていればよかった。

大地の冷えが靴を貫き、足から体内に入り込み始めた頃、
蛍光灯の光を放って新たにバスがやってくる。
末娘バッタがはじき出され、
跳ねるように胸に飛び込んでくる。

お帰り。

オレンジの街路灯を浴びながら
肩を組んで家路を急ぐ。

すぐに夕ご飯にするからね。
今日はお鍋よ。




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