一時思い出したかのように暑さがぶり返したが、それも二、三日のこと。すぐに朝は肌寒く、長袖のジャケットを羽織らずにはいられない日に戻ってしまった。通りでは子供たちの声が聞こえ出し、路上駐車の車の数も増えだした。バカンスも最後の週となり、月並みな表現とはなるが、正に光陰矢の如し。
この9月からフランスの理系エコールの最終学年となる末娘バッタ。単位互換制度を利用して、ダブルディグリーを目指すとかで、オランダのデルフトに旅立つ。そこでの大学院のディプロムを得るには二年間の就学が必須なので、留学期間は二年となる。日本での研修を終えて帰って来たばかりなのに、もう旅立つ準備をする彼女は、頼もしくもあり、消化不良にならないかと心配にもなり、親としては不安を抱かずにはいられない。
若さとは、そんなものなのかもしれない。新しいことに向かって突き進む時の高揚感。それが全ての原動力となり、自分の人生を切り拓いていくのである。大いに鼓舞激励せねばなるまい。大した相談もされずに一人で出発の日を決め、電車の切符を手配し、見送って欲しいとも言われてはいなかった。それでも前日になって、ここは盛大に送ってやれねばとの気持ちになり、会社がまだバカンスモードで仕事がフル稼働していないことをいいことに、急遽休みをとり、北駅まで見送ることにした。
オランダでは長女バッタが3年間、学生生活を送っている。北駅で彼女を見送ってから、もう7年になることに、月日の流れの早さを改めて感じてしまう。未だ20歳になっていない長女バッタを見送る時の悲壮感はない。ぱんぱんの大きなスーツケースに、彼女の姿を隠してしまう程のリュックを背負った22歳になった末娘バッタの姿は、頼もしい限り。
テロの関係で、以前はホームには乗客しかアクセスできなかったが、どうやら規制が緩んだのか、誰もが見送れるようになっている。末娘の車両は先頭近くで、プラットフォームのずうっと端だった。そこまで見送ってあげようかとも思ったが、雨が降り出したこともあって、ちょうど屋根が途切れたところで別れの挨拶をした。
いってらっしゃい!元気でね!風邪ひくんじゃないわよ。ちゃんと勉強してね。困ったことがあったら、いつでも連絡するのよ。それじゃあ、またね。びず!
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