トンカは三人兄弟で、トンカの他に2匹のオス犬がいる。ゴールデンは大抵8匹ぐらいの赤ちゃんを産むらしいので、3匹は少ないらしいが、そこは父親の影響なのだろうか。
ムクムクとして真っ白なゴールデンレトリバーのママから生れた3匹は、大きさこそ違え、皆同じように全体に栗色をしていて、首から胸にかけてクリーム色で、表情がとても愛らしかった。トンカを迎えに行った時には、既に兄弟の一人は数日前に貰われて行ってしまっていた。トンカが一番小さくて、最後までママのおっぱいを飲んでいた様子だったが、先に貰われていった子は、トンカよりも二回りも大きかったそうだ。
その子の名前はCajou。カジュウと発音し、フランス語でカシュナッツを意味する。毛色がカシュナッツのようだからと名付けたのだろうが、なかなかどうしてお洒落で、気が利いていると思ったものだった。
ところが、そのカジュウの飼い主が、自分の手に負えないと地元のSPA、動物保護団体に引き渡したと、末娘バッタが、友達である、トンカのママ、ウシュカの飼い主のお孫さんから聞いてきた。
信じがたい思いがした。トンカの兄弟のことは、時々思い出しては、元気にしているかと思っていたのだが、まさか飼育放棄されているとは!何とも身勝手な話ではないか。考えようによっては、野良犬として外に放り出すよりは、SPAに連れて行って、専門家の手に委ねることは悪くないのかもしれない。別の飼い主との出会いだって、これからないとは言えない。
しかし、である。
怒りと同時に、何とかできないものかと切なくも思った。トンカと同じ顔をして、恐らくトンカと同じようにカンガルー跳びをし、いたずらをし、やんちゃなカジュウが、さみしい思いをしていると思ったら、居ても立っても居られなかった。
それで、ウシュカの家では引き取ってあげられないのかしら。
末娘バッタが、無理らしいよ、と言う。友達のおばあちゃん、つまりウシュカの飼い主が、「C’est la vie.」と呟いたらしい。それが定め、どうしようもない、といったところか。しょうがないことなのよ、ということだろう。
我が家でカジュウを引き取ることを思う。トンカは大喜びするだろう。でも、我が家で2匹の元気なカンガルーを飼うことは、どうなのだろうか。さて、さて。
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