2023年8月24日木曜日

アルマジロ

 





以前、母とバッタ達とブラジルに遊びに行った時のこと。アマゾンのような奥地で、一人一人が大きなタイヤに乗って川下りをしたことがある。勿論インストラクターの元でであったが、当然小さな滝つぼあり、ごつごつとした岩あり、急斜面あり、とアトラクションに事欠かなかった。何度もタイヤから放り出され、真っ青になりながらも大笑いしたものだった。


確か数十名はいただろうか。皆で揃って集合場所からマイクロバスで川岸に出て、そこで水着に着替え、タイヤを渡されることになっていた。その際にトイレを探したところ、当然ながらそんなものはないことに気が付く。仕方なし、と母と一緒に皆からちょっと離れた小藪に入り、着替えをしていたところ、隣でカサカサと音がする。


ふと見まわしたところ、ぎょっとしてしまった。なんと、アルマジロ君が隣にいたのだから。きっと、彼も私以上に驚いたのだと思う。あの堅い殻をカサカサと動かせて、おい、おい、ここで何しているんだよ、と言わんばかりであった。大慌てで一緒にいた母に知らせたことは言うまでもない。母も仰天してしまった。正にアルマジロと裸の付き合い。


動物園でしか見たことがないアルマジロが目の前にいることに、感動よりも恐怖の感情が勝ってしまって、とにかく早くそこを逃げないと、と慌てたことも今では良い思い出。


なにゆえに今アルマジロのことを思い出しだのかと言えば、どう対応して良いのか分からない知り合いの方のことを考えているうちに、自分がアルマジロのようだな、と連想してしまったからである。


悪い人ではない、それは分かっている。しかし、過去に何度も心が冷え切ってしまう言葉を吐かれ、身体がさっと防御態勢をとってしまうのである。できることならば、素通りして欲しい相手であり、一生言葉を交わすこともないだろうと思っていたのに。


自分で言うのも変な話ながら、お人好しで、頼まれると断れず、おだてられるとその気になってしまう、おめでたい性格な自分が恨めしい。それでも、今のところは身体がアルマジロ化している。硬い殻をカサカサと言わせて。



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