2011年10月18日火曜日

音のシャワーの世界に


実は週末から音のシャワーが戻ってしまった。
朝晩カミカミしているのに(詳細 http://kookaburra-coo.blogspot.com/2011/10/blog-post_06.html)。
このところ熱心にしているアルトの練習の為か?いや、夜中まで変な姿勢でベッドでラップトップに向かっているからか?

いや、実は原因は分かっている。

ス、ト、レ、ス。

ずっと気になっていても、臭いものには蓋式に、忘れようとしている事柄が何と多いか!そのうちの一つであったフランス居住者証書。フランス人と結婚した時点で取得は書類さえ揃え、待ち時間さえ気にしなければ問題なくもらえる類のもの。現住所を変更した時と同様に、離婚したならば、届け出なければならない。

ところが、他のケースは知らないが、フランスでは離婚に非常に時間がかかる。かかるのは時間だけではない。協議離婚であっても、兎に角、時間とエネルギーとお金がかかる。

今回のテーマは離婚自体ではないので、ここでは端折ることにする。でなければ、本題にちっともいかないことになってしまう。

裁判所で漸く判事の判決を受けて、判事の署名付きの正式な書類が手に届くまでに時間がかかる。実際のところ、既にノテール(notaire/公証人)のところで、様々な条件に関し合意し弁護士とともに書類に署名していたので、裁判所での判事による判決など2分も要さなかったと思う。

裁判があってから半年も経ってから、忘れた頃にノテールから分厚い書類が書留で届いた。この書類については良く覚えていた。封筒の中だけざっと確認し、その辺に置いておいた。

そうして、時はあれよあれよと経ち、それでも、いつかは身分証明書である居住者証書の身分の変更届をしないといけないな、と思う気持ちが静かに溜まってきていた。

来年はパスポートの更新となる末娘バッタ。チクリ、と胸が痛む。戸籍上なんら変わりがなければ、問題なく簡単に更新の申請をするだけでもらえる筈。両親の離婚は、やはり戸籍上の変更となるか。

こんな時、思わぬエネルギーが出る。

兎に角も、地元の支庁に赴く。建物の外まで続く相変わらずの長蛇の列。漸く受付で順番がくると、外国人向け窓口に直接行けとの指示を受ける。この長蛇の列は運転免許や自動車登録書関係の人々向け。ああ、それなら、そうと、どうして壁にでも書いて貼っていないのか!

いや、そんなことは織り込み済み。こちとら伊達にフランス滞在が長いわけではない。

忍耐。外国人として、お願いして住まわせていただいている身分。

外国人向け窓口でも待つこと暫し。漸く番がくると、冷たく必要書類リストを手渡される。ノテールによる離婚成立の判決書のコピーを見せるが、オリジナルが必要と突っぱねられる。

忍耐。

ノテールの書類では駄目でしょうか、と粘る。

裁判所からの判決書の原本でなければ不可、と取り付く島もない。

出直すしかない。それにしても、裁判所からの原本?記憶にない。だんだん真っ青になる。

我が家の書類置き場の隅から隅まで片っ端から引き出して確認する。つまらない書類や手紙、書き置きばかりが出てくる出てくる。その度に、つまらない思い出に引き摺られる。当時の心持になりそうになり、慌てて自分で自分自身を引き止める。

しかし、裁判所からの原本ほどの大切な書類を一体どこに置いてしまったのか?一切記憶にないが、ひょっとしたらつまらない程の薄さに辟易し、箪笥の上に置きっぱなしにし、バッタ達のノートを整理する際に、一緒に整理し、地下室にしまったか、ゴミ箱に行ったか。。。だんだん事の深刻さに心も重くなる。

こうなったら弁護士に電話をしてしまおう。当然、別れた旦那は原本を持っていようが、流石に聞けまい。いや、最終手段としてのジョーカーとしてとっておくか。

「私どもの弁護士事務所では、斯様な原本は依頼主にお渡ししております。ですので、お客様のご指摘の書類が倉庫にあるとは考えにくいですが、一応はお調べします。また、最終手段といたしまして、コピーに私どもの弁護士が原本の内容に変わりなし、と一言署名することで、原本と同じ効力を持ちますので、そのような対応も可能です。」

その日は超多忙なので二日は時間が欲しいとのこと。最終手段としての別れた旦那が持つであろう原本に頼らなくても済むと分かり、幾分ほっとする。

それでも、気になるものは気になる。弁護士の秘書があそこまで言うのであれば、やっぱり原本は我が家にあるのであろう。記憶が定かでない今、もう一度、徹底的に書類の整理をしないと、と思い、先ずは洗濯物置き場と化してしまった角部屋にあるカルフールの袋を徹底調査。息子バッタのノートの山だと思い込んでいたものが、銀行取引明細書や給料明細であり、なんだか気が滅入る。しかし、そこには弁護士からの書類はない。こうして、袋の山は片付き、そうこうしているうちに、ノテールの書類の一つに離婚の経費が明記されたものを見つけ、その額の大きさに今更ながら唖然とし、一体あの時、折半して私も小切手を切ったのか、或いは彼が全額を支払ったのかも覚えていない事実に愕然とする。

人は忘れる生き物といえども。。。

そんなこんなで、週末に音のシャワーが戻ってしまっていた。

と、今日、携帯に不在時のメッセージが残っていることに気が付く。いつ電話がなったのか?覚えのない番号から、恐らく弁護士事務所であろうと思い至る。慌ててメッセージを確認。

「先日の件ですが、私どもで原本を預かっておりました。つきましては、どのような受渡を希望なさいますか。ご連絡お待ちしています。」

なんと!

すぐに電話をし、とにかく郵送して欲しいと伝えると、判決書の原本なので、できれば手渡しをしたいとのこと。事務所は19時まで開いているのでいつでもお越しあれ、と。

一言、ご心配お掛けしました、とならないところがフランス。そうして、あれだけの弁護士手数料とやらをとっておきながら(最早数年も前の話とはなるが)、ご足労願いたいときたか。

いや、伊達にフランス滞在が長いわけではない。さもありなん。

それよりも、何よりも、判決の原本が見つかった!そのことに、先ず、大きく安堵。

こうして、近々、支庁に赴き、変更届けができる。そして、忘れるなかれ。日本大使館にも届出をしなければなるまい。しかも、恐ろしいことに、日本では離婚成立後10日以内に届出をしなければならないとか。

されど、3年も経って届出をしたところで、離婚の事実に変わりはあるまい。

国民の義務を怠ったとして、大いに反省し、反省文を書かねばならぬなら、潔く書こう。

しかし、本当に、この3年、事務手続きなどよりも、生きる、ということ、生き続ける、ということに夢中で、余裕がなかった。。。大使館は分かってくれるだろうか。。。

一難去って、また一難。

しかし、ストレスは確実に軽くなったはず。音のシャワーからも漸く解放されるであろう。

やっぱり、自分の首を絞めているのは、自分、か。


 
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皆様からのコメント心よりお待ちしております。

5 件のコメント:

  1. あかうな19/10/11 08:41

    大変でした。言葉で書いてしまえば簡単ですがそんなものじゃないんでしょうね。クッカバラさんが玄界灘(?)に沈んでいたのが分かる気がします。気持ちがせわしない時はインスタントも捨てたもんじゃあないですよ。簡単ですもの。。。

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  2. あかうなさん

    いつも暖かなコメントありがとうございます。仰るとおりです。ミロではないですが、ネスクイックにて試して見ます。バッタ達が喜びそうですけど。ふと、小学校時代の給食で出たミルクコーヒーを思い出しました。牛乳瓶に粉末を入れるだけですが、なんとも大人の味を口にしている気がして、幼心にもドキドキしました。勿論、カフェインなんてゼロのものでしょうけど。

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  3. おっと、「温かな」コメントでした。すみません。気の緩みで、ついつい、漢字変換機能に任せてしまいました。。。

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  4. あかうな19/10/11 16:58

    ミルメイクですね。私の給食でもでました。で、でも、ぜんぜん違いますからね~。ああ、でも、ミルメイク、懐かしいです。粉とグラニュウ糖が牛乳瓶の口にべったりくっついて。ちょっと、しゃりしゃり、がりがり。そう、珈琲は大人の飲み物でしたからね。

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  5. ミルメーク?おお、そうでしたっけ???でも、牛乳瓶の口にべったりとの描写、そう、それです、と思ってしまいます。牛乳瓶からこぼれない様に掻き混ぜることもコツでしたよね。あ、ストローもありましたっけね。

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