ノルマンディーで趣味の陶芸を楽しんでいる友人からメッセージが入る。「好天続き。週末は海に繰り出す予定。遊びに来られたし。」
彼女が、旦那の会社の都合で日本駐在から一年も経たずに帰国してから既に一年になろうか。以前は毎週末の様に会っていた大切な友人夫婦なのに、すれ違い続きでちっとも会えていない。そもそも、彼女の犬嫌いを知らなかったことが要因だが、知っていたからといって、トンカを我が家に迎えないという選択肢はあっただろうか。
加えて、以前は近所に住んでいたのだが、最低三年の駐在になるとの当初の予定により、住んでいた家を3年契約で貸してしまっている。子供達もバッタ達と同年代で、一人はバリ、一人はロンドンでそれぞれに生活をしている。従い、友人夫婦はパリでのアパート生活をしている。
ノルマンディーに大きな家を持っているので、週末は大抵ノルマンディーで過ごしている。旦那は本社の重要なポストに就任し、これまで以上に毎日忙しく海外を飛び回り仕事をしている。彼女と言えば、旦那の日本駐在を機に勤務先の会社を取り敢えず二年間休職したが、フランスに戻って来たことを会社に告げずに休職状態を維持し、趣味の陶芸で専門学校に通い資格を取り、加えて、不動産取引の資格も取ってしまった。
それが、ついに来週は職場復帰をするという。ところが、復帰にあたり給与アップを交渉しているというから驚いてしまった。二年間も不在にしていたのに、給与アップを願い出るとは凄い度胸である。この強気な姿勢は、友人ながらも天晴としか言いようがない。
これまでの彼女の人生そのもの、と言えようか。いつだって攻めの姿勢にありながらも、上手くいかなければ縁がなかったときっぱりと捨て去る潔さを持ち合わせている。自分のスタイルが気に入らないのであれば、結構、といったところか。他人に迎合することは一切しない。
全く私と正反対ではないか。それでも、何故か会った時から気が合う。それに、そうは言っても、内面に秘める彼女の繊細さを幾度となく目にしてきた。多くの価値観を共有し、共鳴し合う貴重な同士であることも確かである。
今週末はバッタ達が皆それぞれにフィレンツェ、デルフト、ダンケールで過ごしていて、誰も家にいないので、残念ながら家を空けることはできないと言うと、近所の誰かに犬を預けることは出来ないのか、と返事がきた。
彼女が犬を好きになることは、恐らくない。彼女と週末を過ごすには、トンカを誰かに預けないことには実現しない。
そうねえ。空を仰ぎ、透明な青色の広がりを見つめる。秋の気配が確かに近づいている。
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